日本に帰国せず、スペインに残ることを選んだ。果たしてこれでよかったのだろうか。

この記事には広告を含む場合があります。

ワーキングホリデービザを使い2019年の秋にスペインに来てから今まで、ずっと私はスペインにいます。

コロナウイルスが流行した後も、日本には帰国していません。

この判断が正解なのかどうか、正直よく分かりません。

現在のところは正解に近い気もしますが、もしスペインで感染すれば、スペインに残ったのは大ハズレの選択です。こうなる可能性もまだ充分にあります。

もしかしたら、早いうちに日本に帰国するのが正解だったのかもしれません。

しかし、その場合は最悪のハズレルートに乗っていた可能性があります。

この記事では、スペインに残り帰国しない理由と、もし帰国していたらどうなっていたかを、可能性を交えて考察しています。

また、このページには私の個人的な意見も多く書かれています。それは違うだろという意見もあると思います。

目次

スペインに残った理由

スペインに残った理由は大きくわけて2つあります。

①家にいるのが一番安全だから。

②帰国=移動する=感染のリスクがあるから。

このように判断した理由

家にいるのが最も安全

現在もスペインに残っている理由は、家に留まることが感染するリスクが最も少ないと判断したからです。

外出制限をして、家にいる。人同士の接触を限りなく減らす。そうすることでクラスターを減らし、無自覚症状の人がウイルス拡散する可能性もかなり低くなります。

自分への感染リスクが低いということは、他の人に移す可能性も低いということです。

スペインは感染者数が多い国ですが、買い物や外出を最低限にして家にいればほぼ安全です。

相変わらず感染者は増加していますが、4月になってようやく増加ペースが落ちてきています。

もちろんペースが落ちただけなので、1日の感染者数が尋常ではないことに変わりはなく、警戒事態、隔離期間は続きます。

4月4日には、26日までの警戒事態延長が発表されました。おそらく5月以降も延長となるでしょう。

帰国=移動=リスク

もちろん今から帰国するという手段もあります。

しかし、スペインから日本行きの飛行機があまり飛んでいません。今スカイスキャナーを確認したら、4月は乗り継ぎ1回の便がほとんどありませんでした。

そしてもちろん高額。

直行便は現在運航していないので、乗り継ぎが必要となりますが、乗り継ぎの国で情勢が変わり、乗継便が飛ばないという最悪の可能性も考えられます。

それよりも、日本に到着後が問題です。

空港で検疫を受け陰性の場合でも、そこから自宅に帰ることは困難です。そして、14日間自主隔離を求められます。

  • 空港から公共交通機関は使えない。タクシーもダメ。
  • 実質空港からの移動手段は自家用車、家族や友人の車、レンタカー、徒歩のみ。
  • 交通手段が何もなかったら、空港近くのホテルに14日間滞在するしかない。高額費用が必要。
  • ホテル側から断られる可能性さえある。

すべて自己負担・自己責任です。今帰国すると20万円以上は吹っ飛びます。

そして、帰国するということは、移動をするということです。

この「移動をする」ということが感染のリスクとなり得ます。

①スペインの自宅→②空港(スペイン)→③飛行機→④乗り継ぎ空港→⑤飛行機→⑥空港(日本)→⑦ホテル→⑧車やバス、新幹線など→⑨日本の自宅

スペインの自宅から日本の自宅まで、約8回移動しないといけないのです。この移動中に、感染せずに自宅へ帰る。

はっきり言って運ゲーです。

注意しても感染する可能性はあります。スペインはもちろん危ない。日本はロックダウンや外出制限をしていないので、普通に人々が外出しています。

その中で、感染せずにに自宅へ帰る。

そんなのできるかどうか分かりません。

日本は確かに感染者数の伸びは緩やかですが、重症化しないと検査をせず、検査の数が少ないので当然の結果です。日本人は衛生面に気を使う人が多いので、そこは感染抑制に貢献しているとは思いますが。

感染者は普通に外出している可能性が高いと考えた方が自然です。国が外出制限・ロックダウンをしていなのですから。

感染者数の少ない日本にいるより、感染者が圧倒的に多いスペインにいる方が安全。

とても不思議な理屈ですが、今のところはスペインに残ることがベストの選択だと判断しています。

この判断が間違っている場合

しかし、スペインに残ったことが間違った判断となることもあり得ます。

当たり前ですが、スペインでコロナウイルスに感染してしまう可能性があるからです。

一応家にいれば安心なのですが、100%安全という保障はありません。

食料品を買うために外出をします。するとスーパーマーケットで感染するかもしれないし、道中で感染するかもしれません。

もしかしたらピソ(アパート)の同居人が感染し、ウイルスをもらう可能性もあります。そして同居人が全員感染するという可能性も。

世界のどこにいても今は感染リスクがあるのは当たり前でますが、コロナウイルス大流行中のスペインで生活をすること自体が、相当に注意を要します。

もうひとつ、これは先のことですが、私のビザの期限が来る秋に、日本でコロナウイルスが爆発的に流行していた場合。

日本に帰りたくないと思うことでしょう。

ワーホリビザは基本的に期間の変更や延長はできません。

実際、コロナウイルスの影響で入国日を遅らせることはできても、期間の延長をすることは認められていません。最悪の場合は入国すら叶わずにビザの期限が切れてしまうことも考えられます。もちろん申請できるのは1回までなので、無駄にしたことと同じです。

いずれは期限が切れる前に日本に帰国しなければなりません。その時にもし日本が3月下旬のスペインのような状況だったら…

日本、頼むよ。

もし日本に帰国していたら

ここからは、もし3月中に日本に帰国していたらどうなっていたかを想像し、可能性の話をします。

帰国が正しかったかも

スペインでコロナウイルスが流行する前に、すぐに帰国するという手段もありました。

しかし3月上旬の私にはその考えがありませんでした。

新しい仕事が始まる頃だったので、その発想が浮かばなかったのです。

もしかしたらこの時が帰国するベストなタイミングだったかもしれません。

3月7日くらいまでに帰国していれば、今は安全に日本の自宅で生活していたかもしれません。

しかし、その発想自体がなかったので「たられば」でしかありません。

最悪のシナリオ

仮に帰国できていたとしても、それはそれで大きなリスクを伴います。

早めに帰国=コロナウイルスに感染しない、という意味ではありません。

流行する前ということは、人々の意識がまだ現在より低い頃ということです。そんな時にスペインの空港に行ったら、無自覚感染者からウイルスを移されても全くおかしくないのです。

もちろん、帰国後に日本の空港、公共交通機関などで感染する可能性も十分あります。

日本に帰国後、陽性と発覚したら地獄です。

「スペイン帰りの人がコロナウイルスを持ち込んだ!」として絶対にニュースになっていたことでしょう。

私の住む青森県では、3月23日に初めて感染者が確認されました。

その人は、3月上~中旬にスペインへ行っていたのです。

県内で初の感染者かつ、コロナウイルスの流行地を旅行し感染という経緯から、大バッシングを受けました。

もしかしたら、私がその人の代わりにニュースになっていたかもしれません。

病気からは治っても、一生治らない傷を負いながら生きる可能性があったのです。

そして最悪なのは、私が感染し、親に移すことです。

これは何としても避けたい。

まとめ

以上の考察から、スペインに残った方が賢明だと判断しました。

家にいるのが最も安全。

帰国はかなりのリスクを伴います。金銭的にも大負担というおまけ付きです。

しかし、スペインに残ることが正解というわけでもないのも事実です。

100%の正解は無い。あまり考えすぎてもしょうがないので、今は個人でできることをするしかありません。

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動で身体を健康に保つ。

ストレスを溜めない。

免疫力を上げる。

しばらくは自宅で健康に生活します!

お読みいただきありがとうございました!

正直なところ

(ここからはかなり個人的な意見です。)

正直なところ、日本に帰りたい気持ちもあります。

今はずっと家に引きこもる生活で、スペインにいる意味がないのでは。日本にいる方がいいかも…と考えたり。

コロナウイルスの流行がいつ終わるかも分からない。今年中に終わらないかも。

仕方ないんですけどね。この選択が1番安全だと思っているので。

実際は帰国はほぼ無理です。

金銭的な負担も尋常ではありません。

北海道や沖縄他、本州以外の人はさらに大変でしょう。

家にいるしかない。今はそうするしかない。

これでよかったんだなと思います。

そしてスペインから日本の現状を見ると、この国は果たして大丈夫なのかと思います。

日本の感染者数は緩やかな増加ですが、検査数が少なすぎるので当然です。

検査数を意図的に抑えて感染者数が少ないだけなので、感染者が少ない国というわけではありません。数字上は感染者が少なくても、その背後に感染者が果たしてどのくらいいるのでしょうか。

病床が足りないので重症でない限り検査をしないのかもしれませんが、軽症でも感染していることに変わりはないのです。

病床がそもそも足りてないにも関わらず、病床を増やすことを後回しにして検査数を増やさなかった。今になって急に病床が増え始めていますが、分かっているならもっと前からやれよという話です。

オリンピック延期が決まってからあからさまに感染者数が増えたのも不信感を抱かざるを得ません。

検査数を少なくしても、感染者の数は実質変わらないのです。数字に出るか出ないかの差。

そして数字上でも感染者は確実に増えています。

それなのに、危機感が薄い日本人がまだ多いと感じます。

青森県では3月23日に八戸市にて初めて感染者が確認されました。

その人にはネット上で数々の罵声が浴びせられています。

確かに、その人が旅行していた3月上旬中旬のスペインはコロナウイルス流行で既に危ない場所で、渡航したのは大きな間違いです。

しかし今の日本を見ると、その時のスペインよりも感染者数は多いのです。

それなのに、外出している人がまだ多いのはなぜですか?特に東京、首都圏。

今の日本は、八戸市の彼が旅行していた時期のスペインと似たような状況です。

これ以上日本で感染が拡大したら、そりゃ当然だろとしか思えません。

そして国は自国民に活動自粛を求めるばかりで明確な補償はしない。

給付の現金は自己申告制で対象者も極わずかに限られる。多少給料が落ちた程度では対象にならない。感染リスクを承知で働いている人がもらえない仕組み。

国民が自ら補償と情報を求めに行かなければ得られない仕組みがおかしいと思います。

人が集まる文化的活動には自粛を求め、パチンコや満員電車に関しては全く言及しない。

和牛商品券に対抗してお魚商品券という、虚構新聞でも思いつかない案まで本当に出てしまう。

国民ではなく利権を第一に考える。

1世帯に布マスク2枚という優先順位の低すぎる給付。

そりゃ何も考えずに国も動いていないのは分かります。医療機関に使い捨てマスクを優先的に回すとか。

しかし「本当に必要な時と場所に、国民にお金を使わない」というスタンスが明確に見えています。徹底的に渋る。何のための税金?

一方で、外国と大企業にはあっさりと大金を渡してきた安倍政権。

利権で物事を判断してきた政治が続いているので、その時の情勢に適した判断をする頭がそもそも無いのだと思います。

スペインやイタリアより酷い未来が日本を待ち受けているのではないでしょうか。

コロナウイルスだけではなく、国によって命を落とす人が増える。

スペインの状況は全く褒められたものではないのですが、「とにかく家にいろ!守らなかったら罰金!家にいたら安全!家賃払えなくても家にいていいから!」というメッセージが明確にあります。

国民と現状を直視せず、何をしたいのかよく分からない日本。基本的に説明不足で、国民の方から情報を探し、噛み砕いて自分で判断しなければいけません。

国として大丈夫でしょうか。

私は「スペインの方がいい!日本は最悪!」と言うつもりはありませんが、冷静に考えて日本はおかしい国です。

「日本が狂っているからあの時帰国しないで正解だった」という未来があるのは勘弁してほしい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2019~2020年、スペインにワーキングホリデービザを使って滞在していましたが色々あって早めに帰国。
スペインの音楽(ロック・インディ・オルタナ)が好きなので、日本語で情報発信しようと思います。

おいしいラーメンを食べたい。

コメント

コメントする

目次