今回はLORI MEYERSというバンドのライブ盤、
『DIRECTO EN MADRID WIZINK CENTER』を紹介します。
ライブが開催されない、行けない日が続き、それはこれからも続くことでしょう。
こういう時こそライブを収録したCDを聞く、DVDを見るのも良いのではないでしょうか。
LORI MEYERSとは
LORI MEYERSは1988年にグラナダのLojaで結成されたオルタナティブ・ポップバンド。
これまでに6枚のアルバムと1枚のベストアルバムをリリースしています。
分かりやすいコーラス、耳に残りやすいギターとキーボードのリフ、ヴォーカルのNoniの哀愁ある歌声が特徴。
テクニカルなバンドではありませんが、楽曲・メロディの良さでスペインで確実に人気を得ていきました。
近年は中南米で、特にメキシコでの人気も高く、現地でコンサートも開催してきました。
ところでバンド名の『LORI MEYERS』とはどういう意味でしょうか?
ウィキペディアによると、アメリカのパンクバンド、NOFXのアルバム『Punk in Drublic』に収録されている曲“Lori Meyers“からバンド名を拝借しました。
Lori Meyersはポルノ女優。NOFXのヴォーカル、ファット・マイクと幼馴染です。
彼はポルノ女優なんて下品な仕事を辞めるように説得したものの、彼女はこの業界で働くことが好きで、以前の工場で働く仕事に戻る気はない、という曲だそうです。
しかし、なぜこれをバンド名にしたのでしょうか。
あくまで私の想像ですが、好きなことをやる彼女の姿勢がバンドのコンセプトにピッタリだった、そのアティテュードに共感したのかもしれません。
DIRECTO EN MADRID WIZINK CENTER
この作品では、2018年12月29日にマドリードのWiZink Centerで行われたライブをほぼフル収録しています。
setlist.fmで確認すると厳密には32曲あったようですが、2曲分削られています。
CD+DVDとレコードの2形態で発売中です。
2018年にLORI MEYERSは結成20周年を迎え、1年かけてスペイン各地のフェスティバルを巡っていました。
そしてツアーの最終地点が、キャパシティ約15,000のWiZink Centerです。
(WiZink Centerについてはこちらの記事で書いています。)
こちらのYouTube再生リストからコンサートを順番通りフルで聞くことができ、半分以上が映像付きで視聴可能です。
1曲1曲途切れますが、映像は17曲も無料で見られるのでかなり太っ腹です。
このライブの特に良いところは、キャリアを総括する30曲の長いライブの中で、数ヶ所にハイライトがあること。
ライブで必ず盛り上がるエース級の曲をいくつも持っているバンドなので、長いライブでも中だるみが無いのです。
2曲目の『Planilandia』、3曲目の『Luces de Neon』で歌いまくる観客。
10曲目の『Luciérnagas y Mariposas』は大きな会場ならではの演出。(曲名は「蛍と蝶々」という意味です。)
15曲目の『El Tiempo Pasará』、16曲目の『Zona de Confort』でライブの第1部が終了。
途中でアコースティックコーナーを挟み、18曲目『Rumba en Atmósfera Cero』から19曲目『Alta Felicidad』で第2部が幕開け。
ライブ終盤の25曲目『Siempre Brilla El Sol』→26曲目『Pierdo El Control』→27曲目『Emborracharme』という怒涛の畳み掛け。
アンコールの29曲目『¿Aha Han Vuelto?』、最後30曲目『Mi Realidad』で大団円を迎えます。
2時間強の長いライブですが、ファンからするとあの曲やってない、この曲やってない、と物足りなさすらあるはずです。
11『Explícame』、17『Saudade』、22『Océanos』ではギターのAlejandroがリードヴォーカルを取ります。
抜けのいいさわやかな歌声はNoniの声と好対照で、マンチェスターかどこかの兄弟バンドを思い出させるような。(Noniはあの弟のようにステージを去らず、横でギターを弾いています。)
途中でオーケストラが加わるパートもあり、大規模なライブに華を添えてくれます。
個人的な話をすると『Luces de Neon』『El Tiempo Pasará』『¿Aha Han Vuelto?』が特に好きな曲で、序盤・中盤・終盤で配置されているのでセットリスト的にも満足しています。
唯一この作品の問題点は、画質。
2020年に出た作品としては物足りなさがあります。
収録時間が長く、1枚に収めるには画質を落とす必要があったのでしょうか。
それよりは2枚組にしても良かったし、Blu-rayが出てたら絶対そっち買ったと思います。
購入・視聴するには
CD+DVD、レコードどちらも日本では販売されていません。
というわけで個人で輸入するしかありません。
音源だけを聞くならば、APPLE MUSIC, spotify, Amazon Musicなどストリーミングサイトで聞くことができます。
もしくは上記のYouTubeで映像も見ることが可能です。
最後に
ライブがない生活にも慣れたもんですが、こういうライブ映像の作品を見ると、昔が懐かしい。
「めっちゃ密じゃん…こういう時代もあったな…」
と新鮮な気持ちにさえなります。
随分世界が変わったもので、1年もあっという間です。
お読みいただきありがとうございました!
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