ASIAN KUNG-FU GENERATIONの10枚目のアルバム『プラネットフォークス』が2022年3月30日にリリースされました!
このアルバムに収録されている6曲目のタイトルが、ひときわ興味をそそるものでした。
『De Arriba』
スペイン語じゃん。
(なんだこの曲名は?)と思った人もいることでしょう。
この記事では「De Arriba」という言葉の意味を解説し、このタイトルが付けられた理由を考察しています。
このブログでは普段スペインのことを色々と書いていますが、アジカンは私が日本で一番好きなバンドです。
スペイン語が少しは分かるアジカンファンとして、思ったことを書いていきます。
De Arribaの意味は?
まずはこの言葉の本来の意味から解説します。
De Arribaはスペイン語で「上の」「上から」という意味です。
「de」「arriba」二つの単語の組み合わせから成っています。
deは英語の「of」もしくは「from」にあたる単語です。
arribaは英語の「above」「up」にあたる単語です。
De Arribaの読み方は?
読み方は「デ・アリバ」です。
アクセントは「リ」に付き、「デ・アリーバ」のようにも聞こえます。
また、スペイン語は「r」が2つ続いて「rr」になると、巻き舌を使います。
アルリリイバ
みたいな感じですね。
https://www.spanishdict.com/translate/de%20arriba
上のリンクから発音を確認できます。
人によっては難しいかもしれませんが、ぜひ巻き舌で発音してみてください。
De Arribaの使い方
実際に「de arriba」が使われた例文を見ていきましょう。
「上の」という意味で使っています。
ちなみに上のリンクは本物なのでクリックしてもOKです。
「上から」という意味で使っています。
「de arriba a abajo」は英語の「from top to bottom」と同じで、「上から下まで」「隅々まで」「徹底的に」という意味になります。
このようにde arribaはスペイン語で普通に使われる言葉です。
なぜDe Arribaという曲名に?
ここからは完全に個人の考察になります。
もしかしたら以下の考察は本質とは全く異なるただの深読みかもしれず、後に恥ずかしい思いをするかもしれませんが、石を投げたりしないでください。
なぜアジカンのこの曲は『De Arriba』と名付けられたのでしょうか。
曲を聴き、歌詞を読み、考えました。
おそらく、De Arribaにすることでダブルミーニングを持たせたいのではないかと推測します。
言葉遊び
まず歌詞に目を向けると、こんな言葉があります。
「であれば」
これは完全に言葉遊び、もしくはダジャレですね。
「であれば」をもじって「de arriba」。
では、スペイン語に変えることでどのような変化が生じるのか。
ここで「上から」の意味が含まれます。
上から降りかかる言葉、石
この曲には、SNSやインターネット、炎上、対話などがテーマとしてあると思います。
炎上した人に投げかけられる言葉って、「上から降りかかってくる」というイメージがありませんか?
もしかしたら私だけかもしれません。
歌詞では「石を投げたって」と言葉を「石」に置き換えているように見えます。
石を投げる人は、「上から」目線の人が多いと思います。
上から隠れて石を投げるだけなので、投げた人はノーダメージ。
多数の石を当てられて、死んでしまっても上からは見えません。
インターネットという雲の上から匿名で石を投げている人は、美しい正義感からそうしているのかもしれません。
アジカンのフロントマン、ゴッチは2021年、結構な炎上をしました。(彼は過去にも何度か炎上しています。)
フジロックやオリンピック、政治批判に関して彼は色々叩かれました。(気になる方は調べてみてください。)
この曲に出てくる人物はゴッチ自身のことなのか、彼以外の様々な叩かれてしまった人なのかは分かりません。
過ちを犯したら最後、過ちは水に流せないような窮屈な社会。
そんな社会でも、お互いの顔が照らされた状態で、なぜこんなことが起こったのか、原因はどこなのか、しっかり対話する重要性を説いているように感じました。
『プラネットフォークス』は全体的にポジティブな雰囲気がありつつ、ゴッチ特有の辛辣な言い回しも光るアルバムです。
『De Arriba』はその中でも世間へ疑問を投げかけている曲かと思います。
アジカンとスペイン語圏の関係
アジカンはスペイン語圏の人にも絶大な人気を誇ります。
最大の理由はやはり『NARUTO』ですね。
NARUTOは海外でも絶大な人気を誇るマンガ・アニメ。
オープニングや映画主題歌として、アジカンの曲は今まで3度も使われています。
そして、アジカンはスペイン語圏へ実際に行っています。
メキシコ、アルゼンチン、チリ、ペルーなど、中南米へ1度だけでなく何度か訪問しているのです。
スペインではまだライブをしたことがありません。
フランス、ドイツ、イギリスには行っているので、次あたりはスペインに行ってもいいのではないかと思います。
ゴッチはスペイン・バスク地方のロックバンド、Berri Txarrakのボーカル、Gorkaと交流があります。
バンドの来日時にはツーショットがインスタにアップされていました。
元WEEZER、現THE RENTALSのマット・シャープが共通の友人で知り合ったのではないかと思います。
こうしてみると、アジカンはスペイン語圏とかなり密接な繋がりを持ったバンドと言えます。
スペイン語圏のアジカンファンも、この曲には注目していることでしょう。
最後に
『De Arriba』が収録されたアジカンの『プラネットフォークス』の購入は下のリンクからどうぞ。
お読みいただきありがとうございました!
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